ジャパン・レール・パスとSuicaの違いは?両方いるかと使い分け
この2つは役割が違います。ジャパン・レール・パスは、決まった日数のJRの乗車を1つの値段で買うものです。Suicaは改札を出るときに残額から運賃が引かれます。このサイトの区間データベースで、東京発のよくある6つの区間を2026年10月14日水曜日のJRの運賃検索と比べました。どの区間も50,000円を下回りました。つまりパスで得をするのは、1週間に長距離のJR移動をいくつも詰め込むときだけです。地下鉄やバスやコンビニでタッチするのは、どちらにしてもSuicaです。
ジャパン・レール・パスとSuicaを並べて比較
下の表は、7日間のジャパン・レール・パスとJR東日本が売っている2種類のSuicaを並べたものです。パスの料金はJAPAN RAIL PASSの公式の料金ページから取りました。カードの中身はJR東日本の訪日客向けSuicaのページから取りました。
| 項目 | ジャパン・レール・パス(7日間) | Suica | Welcome Suica |
|---|---|---|---|
| 料金 | 50,000円、普通車用、公式サイト | 1,000円から(500円のデポジットを含む) | 1,000円から、デポジットなし |
| 支払い方法 | 7日間、14日間、21日間ごとの定額 | 残額から運賃が引かれる | 残額から運賃が引かれる |
| 使える場所 | JRグループの列車、東京モノレール、JRバスの一般路線、宮島フェリー | 電車、地下鉄、バス、モノレール、店舗 | 電車、地下鉄、バス、店舗(PiTaPaエリアの店舗は除く) |
| チャージ | — | 現金のみ、残額は20,000円まで | 円のみ、20,000円まで、セブン銀行ATMでも可能 |
| 座席 | 指定席が追加料金なしで利用可能(のぞみ・みずほを除く) | 特急券は別に購入 | 特急券は別に購入 |
| 払いもどし | 使い始める前だけ、手数料560円 | 残額から手数料220円を引いた額と、デポジットの500円 | 払いもどしなし |
| 有効期間 | 7日間、14日間、21日間 | 10年間使わないと失効 | 購入日を含めて28日間 |
パスの料金は、どこでどう買うかで変わります。公式サイトでは、7日間の普通車用が50,000円、14日間の普通車用が80,000円です。7日間のグリーン車用は70,000円です。6歳から11歳の子どもは7日間で25,000円です。海外の旅行代理店で買うと、7日間の普通車用は53,000円です。このサイトのジャパン・レール・パスのガイドによると、この代理店の値段は2026年10月1日からです。公式サイトは期間限定で50,000円のままです。
予定が変わったときにパスを払いもどしできるのは、使い始める日より前だけです。オンラインで買った場合の手数料は1枚560円です。パスを使えるのは、「短期滞在」の資格で日本に入国した外国人旅行者だけです。
Suicaは逆の仕組みです。乗った分だけ払います。新しいカードは1,000円から10,000円で、そのうち500円はデポジットです。乗るときに改札でタッチすると、降りた駅で残額から運賃が引かれます。東京の外でどこまで使えるかは、このサイトのSuicaカードのガイドで紹介しています。
Welcome Suicaは、JR東日本が短期滞在の訪日客向けに売っているSuicaです。デポジットはなく、買った日を含めて28日間使えます。使い終わっても払いもどしはありません。どの旅にどちらのカードが合うかは、このサイトのWelcome SuicaとSuicaの比較で紹介しています。

パスを使わない場合の往復料金
下のグラフの区間は、どれも通常のきっぷのほうが50,000円のパスより安くなります。このサイトの区間データベースから片道の指定席の料金を取り出し、往復で足しました。データベースの料金は、2026年10月14日水曜日のJRの運賃検索の値です。

| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京⇔仙台往復 | 23,260円 | 東北新幹線 |
| 東京⇔京都往復 | 28,340円 | のぞみ |
| 東京⇔金沢往復 | 29,200円 | かがやき |
| 東京⇔新大阪往復 | 29,440円 | のぞみ |
| 東京⇔広島往復 | 39,520円 | のぞみ |
| 東京→京都→広島の周遊 | 45,870円 | のぞみ |
| 7日間のジャパン・レール・パス | 50,000円 | 公式サイト |
グラフを見ると、差の大きさが分かります。東京から京都までののぞみの片道のきっぷは14,170円で、往復だと28,340円です。パスより21,660円安くなります。東京⇔新大阪の往復は29,440円です。東京から金沢までかがやきに乗ると、往復で29,200円です。6つの中でいちばん安いのは東北新幹線の東京⇔仙台で、往復23,260円です。
距離が長いほど差は縮まります。東京から広島までののぞみの片道のきっぷは19,760円で、往復だと39,520円です。それでもパスより10,480円安くなります。東京から京都と広島を回って東京へ戻る周遊だと45,870円です。この場合、きっぷはパスより4,130円しか安くありません。同じ週にもう1本、京都から広島(11,940円)のような長い移動が加わると、パスのほうが安くなります。その損益の分かれ目は、このサイトのジャパン・レール・パスは元が取れるかのページで計算しています。
のぞみは東海道新幹線でいちばん速い列車です。ここで挙げた料金の多くは、のぞみの料金です。

パスでは、のぞみとみずほはどの席にも乗れません。パスを持つ人はひかりかこだまに乗るか、乗る前にのぞみ・みずほ利用券を買います。この券は東京から京都・新大阪までが4,960円、東京から広島までが6,500円です。乗車日の1か月前から、指定席券売機とJRのみどりの窓口で売り出されます。
ひかりは遅いものの、パスで追加料金なしで乗れます。10時03分に東京を出るひかり707号は、京都まで2時間34分です。いちばん速いのぞみは2時間7分です。この時間の差は、このサイトののぞみとひかりの比較で詳しく見ています。
新幹線にSuicaで乗れる?
乗れます。ただしJR東日本の新幹線の自由席に限ります。JR東日本はこのサービスをタッチでGo!新幹線と呼んでいます。Suicaなどの交通系ICカードを、一度だけ無料で登録します。そのあとは新幹線の改札でカードをタッチして乗るだけです。運賃は、降りる駅の改札を出るときに残額から引かれます。
JR東日本のタッチでGo!新幹線のページに、使えるカードが載っています。Suica、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、nimoca、はやかけんです。手順は下の図のとおり短く済みます。

登録は最初の1回だけです。JR東日本のSuicaで新幹線に乗るページは、これを利用開始登録と呼び、一部の区間は対象外としています。タッチする前に、カードの残額が足りているかも確かめてください。乗れるのは自由席なので、駅の案内では「自由席」の文字を目印にしてください。
JR東日本のWelcome Suica Mobileの新幹線の案内には、さらに手軽な使い方が載っています。Welcome Suica Mobileのアプリなら登録がいらず、カードを作ったその日から乗れます。使える区間は、東北新幹線の東京〜盛岡と盛岡〜新青森です。上越新幹線の東京〜新潟と、北陸新幹線の東京〜上越妙高でも使えます。
タッチする前に列車を確かめてください。はやぶさ、はやて、こまち、つばさは全席指定で、自由席がありません。東京から仙台なら、やまびこに乗ることになります。参考までに、このサイトのデータベースではこの区間のやまびこの自由席は10,780円です。東京から新青森のように盛岡をまたいで走る列車では、このサービスは使えません。
新幹線の改札にもICカードの読み取り部があります。写真は東海道新幹線の熱海駅の改札です。

東海道新幹線と山陽新幹線では、スマートEXという別の仕組みを使います。ネットで予約してICカードを登録し、新幹線の改札でタッチします。スマートEXのICカードでの乗り方のページによると、料金は予約したときに登録のクレジットカードで払います。ICカードの残額からは引かれません。改札で出てくる「EXご利用票(座席のご案内)」を受け取ってください。車内で乗務員が確かめるためです。JR東日本によると、モバイルSuicaなら東京〜博多のエクスプレス予約サービスも使えます。
これは残額の上限にかかわる話です。Suicaの残額は最大20,000円で、東京から広島までののぞみの片道は19,760円です。スマートEXなら、この料金はカードの残額ではなくクレジットカードで払います。
JRのふつうの路線では、Suicaで払えるのは運賃だけです。JR東日本によると、特急や急行やグリーン車に乗るときは特急券などを別に買う必要があります。
パスが使えないところ:地下鉄と私鉄
パスで乗れるのは、JRとほかのいくつかの乗り物です。JAPAN RAIL PASSの公式の対象路線のページには、JRグループの全路線、東京モノレール、JRバスの一般路線、JR西日本の宮島フェリーが載っています。JRバスの高速路線は対象外です。フェリーでも、宮島訪問税の100円は別に払います。
下の図は、パスで乗れるものと自分で払うものを分けたものです。

パスが使えない乗り物で、いちばん大きいのは私鉄です。公式の説明にも、私鉄に乗るときはその区間の運賃と料金が別にかかるとはっきり書かれています。JRの列車がそのまま他社の線路へ乗り入れる場合も同じです。新宿発の富士回遊がその例です。大月から河口湖までは富士急行の路線なので、この区間の分は自分で払います。
東京メトロと都営地下鉄はJRの会社ではなく、パスの対象の一覧にも載っていません。この2つの運賃は、Suicaか地下鉄のパスで払う前提で考えてください。Tokyo Subway Ticketは、東京メトロと都営地下鉄の全線に乗れます。料金は24時間1,000円、48時間1,500円、72時間2,000円です。この料金は2026年3月14日に上がりました。羽田空港と成田空港の観光案内カウンターで買えます。買うときにスタッフがパスポートを確かめます。
東京メトロ24時間券は700円で、乗れるのは東京メトロの9路線だけです。IC版はPASMOに載せるもので、Suicaには載せられません。すでにSuicaを持っているなら、東京メトロの券売機で紙のきっぷを買ってください。
地下鉄のパスを使わない場合、東京メトロと都営地下鉄の改札ではSuicaでそのまま運賃を払えます。

Suicaの制限:20,000円の上限、デポジット、Welcome Suica
Suicaには、訪日客がつまずきやすい決まりがいくつかあります。特に大事なのは次の4つです。
1つ目は上限です。チャージは何度でもできますが、残額は20,000円を超えられません。チャージは500円、1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、10,000円の単位でできます。券売機かのりこし精算機で現金で払い、クレジットカードは使えません。Suica、PASMO、ICOCAのチャージの決まりは、このサイトの交通系ICカードのチャージのページで比べています。
2つ目はデポジットです。JR東日本のSuicaを払いもどしできるのは、JR東日本の駅だけです。戻るのは、残額から手数料220円を引いた額とデポジットの500円です。JR東日本の例では、残額が1,000円なら1,280円が戻ります。残額が0円でも、デポジットの500円は戻ります。
3つ目はエリアです。Suicaはそれぞれのエリアの中でしか使えず、エリアをまたいで乗ることはできません。JR東日本が挙げる例は、首都圏から仙台エリアへの移動です。この場合は前もってきっぷを買うか、新幹線ならタッチでGo!新幹線を使ってください。
4つ目はWelcome Suicaの決まりです。JR東日本のWelcome Suicaの購入ページによると、有効期間は買った日を含めて28日間です。29日目からは使えません。カードの裏のGOOD THRUの日付は、有効期限ではありません。残額がいくらあっても払いもどしはありません。チャージは券売機とのりこし精算機のほか、セブン-イレブンの中のセブン銀行ATMでも円でできます。ICカードのマークがある全国のお店で使えますが、PiTaPaエリアのお店では使えません。
子ども用のWelcome Suicaは、12歳の誕生日のあとの3月31日まで使えます。買うときは子どものパスポートを持って行ってください。SuicaやWelcome Suicaはなくすと再発行できません。再発行できるのは記名式のMy Suicaだけです。
JR東日本は2026年10月20日に、teppayという別のコード決済サービスも始めます。teppayなら、Suicaの20,000円の上限を超える買い物もできます。仕組みは、このサイトのSuicaの2026〜27年の変更点のガイドで説明しています。

1つの旅で両方使う
両方を使う旅程はよくあります。長距離のJR移動はパスで乗り、それ以外はSuicaで払います。
長距離の移動では、パスがあれば指定席も追加料金なしで取れます。指定席券売機かみどりの窓口で予約してください。オンラインで買った場合は、公式サイトでも予約できます。改札はパスで自動改札を通るか、有人改札で見せて通ります。パスを使うときは、いつもパスポートを持っていてください。
パスは日本に着いてから、みどりの窓口か指定席券売機で受け取ります。そのときは短期滞在(Temporary Visitor)のスタンプが押されたパスポートを見せてください。海外の旅行代理店で引換証(Exchange Order)を買った場合は、発行から3か月以内に主なJRの駅でパスに引き換えてください。
それ以外の場面はSuicaで払います。Welcome Suicaは地下鉄やバスのほか、自動販売機やコインロッカー、コンビニ、飲食店でも使えます。財布の中では、パスとSuicaを離して入れてください。JR東日本は、ICカードは1枚ずつ使い、同じパスケースに何枚も入れないよう呼びかけています。
Welcome Suicaは日本に着いてすぐ買えます。JR東日本のトラベルサービスセンターでは、成田空港第1ターミナル(8時30分〜19時)と成田空港第2・3ターミナル(8時30分〜20時)で売っています。羽田空港第3ターミナルの店は6時45分から20時まで開いています。場所は東京モノレールの駅の2階で、改札のとなりです。Welcome Suicaの専用の券売機も、この3つの駅にあります。都心の駅の売り場は、このサイトのSuicaを買える場所のガイドで紹介しています。
羽田からなら東京モノレールがパスの対象なので、パスを使い始めていればそのまま都心まで乗れます。モノレールのほかにカードがどこで使えるかは、このサイトのWelcome Suicaのガイドで紹介しています。

どちらを選べばいい?
旅の形に合わせて選んでください。下の早見表に、よくある4つの答えをまとめました。

東京だけの場合。SuicaかWelcome Suicaを用意してください。地下鉄に何度も乗るなら、24時間1,000円のTokyo Subway Ticketも足してください。
1週間以内に東京と京都を往復する場合。通常のきっぷを買ってください。のぞみの往復は28,340円で、7日間のパスは50,000円です。
京都と広島を回る周遊の場合。きっぷの合計は45,870円です。同じ7日間に4,130円を超えるJRの移動をもう1つ足すと、パスのほうが安くなります。パスでのぞみに乗りたいなら、パスの側にのぞみ・みずほ利用券の料金を足して比べてください。
東京より北へ自由席で移動する場合。SuicaをタッチでGo!新幹線に登録し、やまびこなど自由席のある列車に乗ってください。
「短期滞在」の資格で入国しない場合。ジャパン・レール・パスはまったく使えません。Suicaと通常のきっぷで計画してください。
子どもがいると計算が変わります。子どもの7日間のパスは25,000円です。通常のきっぷでは、6歳から11歳の子どもは運賃と特急料金が半額です。
JRパスとSuica、日本在住の98人がすすめるのは
2026年10月13〜14日に、日本在住の人へ旅の選び方32項目のネット調査をしました。130人が答えました。機械で書いたような回答・日本の外からの1件・食い違う回答の大半を除き、98人ぶんを集計しています。下の割合は、ほかの人数を書いていない所ではこの98人の中での割合です。日本を旅行する人全体の割合ではありません。32項目の結果と聞き方はこちら。
外国から来る友だちが東京だけに5日間いるとき、移動のために何を用意するといいか聞きました。45.9%(45人)がSuicaなどのICカード、18.4%(18人)が地下鉄の乗り放題きっぷ、9.2%(9人)がジャパン・レール・パスと答えました。6.1%(6人)は何も用意せず、そのつどきっぷを買えばいいと答えました。
ジャパン・レール・パスだけではのぞみに乗れないと知っていたのは、わずか2.0%(2人)でした。よくある間違いを聞いたところ、2人がパスについて書いていました。
「JRパスの買い損」
— 40代女性、関東(東京都以外)
「自分の旅程や移動の頻度に合っていないパスやフリー切符を、なんとなく購入してしまうこと」
— 40代女性、関東(東京都以外)


よくある質問
ジャパン・レール・パスの代わりにSuicaを使える?
使えます。1つのSuicaエリアの中のJRの運賃と、タッチでGo!新幹線を使ったJR東日本の新幹線の自由席なら使えます。運賃は残額から払い、残額の上限は20,000円です。東海道新幹線と山陽新幹線では、ICカードを登録してスマートEXを使うか、きっぷを買ってください。
新幹線にSuicaで乗れる?
乗れます。JR東日本の路線の自由席なら乗れます。カードを一度だけ無料で登録し、残額を十分に入れてから新幹線の改札でタッチしてください。はやぶさ、はやて、こまち、つばさは全席指定なので、自由席のある列車を選んでください。
ジャパン・レール・パスがあってもSuicaは必要?
たいていは必要です。パスの対象はJRグループの列車、東京モノレール、JRバスの一般路線、宮島フェリーです。私鉄や地下鉄、市内のバス、お店では別の払い方が必要です。Suicaなら1枚で全部払えます。
ジャパン・レール・パスは東京の地下鉄で使える?
東京メトロと都営地下鉄は、パスの対象路線の公式一覧には入っていません。これらの運賃はSuicaで払うか、24時間1,000円からのTokyo Subway Ticketを購入してください。羽田からの東京モノレールはパスの対象です。



