ICOCAとPiTaPaの違いは?チャージ式と後払いの使い分け
カードの価格の出典はJR西日本のICOCAの購入ページです。PiTaPaの決まりの出典はPiTaPa(スルッとKANSAI)のFAQページです。どちらのカードも大阪メトロ・阪急・京都市バスで使えます。決め手になるのは、支払い方とカードが手に入るまでの早さです。
ICOCAとPiTaPaを比較
ICOCAはJR西日本が発行しています。PiTaPaはスルッとKANSAIの決済サービスです。下の表は、それぞれの発行元が出している数字を並べたものです。
| 項目 | ICOCA | PiTaPa |
|---|---|---|
| 支払い方法 | プリペイド:先にチャージ | 後払い:毎月銀行口座から引き落とし |
| 価格 | 2,000円(デポジット500円を含む) | 入会金・年会費なし |
| 入手方法 | 券売機かみどりの窓口で、その日のうちに買える | オンラインか書面での申し込みと審査 |
| 受け取りまで | その場で受け取り | オンラインなら最短2週間、書面なら3〜4週間 |
| 申し込める人 | 誰でも買える。訪日外国人向けのデザインは日本以外のパスポートが必要 | 本会員は18歳以上で、高校生は不可 |
| チャージ | 現金で、残額の上限は20,000円 | 後払いエリアでは不要。それ以外では現金でチャージ |
| 払いもどしの手数料 | 220円。デポジットは戻る | 残額がある状態で退会すると550円 |
| 1年使わなかったときの費用 | なし。10年間未使用だと失効する場合がある | PiTaPa維持管理料1,100円 |
| 紙のご利用代金通知書 | なし | 郵送1回につき150円 |
ICOCAはシンプルなプリペイドカードです。ICOCAのマークがある券売機に2,000円を入れます。使える残額は1,500円で、残りの500円はデポジットです。券売機の画面は英語に切り替えられます。JR西日本ではICOCAをクレジットカードで買えないので、現金を用意してください。券売機によっては1,000円・3,000円・5,000円・10,000円のICOCAも買えて、デポジットはどれも同じです。このサイトのICOCAのページで、買える場所をすべて紹介しています。
PiTaPaには入会金も年会費もありません。費用は別のところでかかります。PiTaPaベーシックカードでは、毎月の紙のご利用代金通知書の発送料が150円かかります。PiTaPa倶楽部かPiTaPaアプリに登録してメールで受け取れば、この発送料はかかりません。電車・バス・ショッピングのどれも1年間使わなかった場合は、会員1人につき1,100円のPiTaPa維持管理料がかかります。
JR西日本は、訪日外国人だけが買えるオリジナルデザインのICOCAも売っています。条件はJR西日本の訪日外国人向けICOCAの英語のページに載っています。日本以外の政府が発行したパスポートと短期滞在の在留資格が必要で、1人1枚までです。価格は500円のデポジットを含めて2,000円です。日本国籍の人は、海外の永住権があっても使えません。
訪日外国人向けのカードは、関西空港駅のJRのきっぷ売り場「みどりの窓口」でしか買えません。ここには英語と中国語に対応したカウンターがあり、営業時間は5:30から23:00までです。

写真の駅は第1ターミナルの2階のすぐ外にあり、JRでも南海でもICOCAを買えます。このサイトの関西空港でICOCAを買う方法のページでは、券売機と窓口を紹介しています。東京にも行く予定があれば、ICOCAとSuicaのくらべのページで2つのJRのカードの違いを確かめてください。
プリペイドと後払いの違い、使える場所
ICOCAはお財布のような仕組みです。先にチャージしておき、乗るたびに残額から運賃が引かれます。決まりはJR西日本のICOCAのチャージのページに載っています。チャージは現金だけで、1,000円・2,000円・3,000円・5,000円・10,000円の単位です。残額が20,000円を超えるチャージはできません。モバイルICOCA・Apple PayのICOCA・SMART ICOCAのクイックチャージは、現金だけの決まりの例外です。このサイトのICカードのチャージのページで、チャージできる機械を紹介しています。
PiTaPaは毎月の請求書のような仕組みです。毎月1日から末日までに乗った分と買った分を合計します。その合計額は、登録した銀行口座から引き落とされます。ベーシックカードの場合、利用した月の2か月後の10日に引き落とされます。
後払いが使えるのは決まった場所だけです。PiTaPaの利用エリアのページでは、地図を2種類のエリアに分けています。2026年4月1日時点で後払いが使えるのは、PiTaPaの後払いエリアとJR西日本エリアの一部です。そのほかの全国相互利用のエリアでは、先に現金でチャージしておく必要があります。

この図を見ると、PiTaPaが後払いになる場所と残額から引かれる場所がわかります。スマートEXや新幹線eチケットを使った新幹線の利用は、後払いの対象にはなりません。後払いエリアの中から乗ってエリアの外で降りるJR西日本の利用も、残額から引かれます。後払いエリアの外では、PiTaPaの割引は適用されません。
PiTaPaにチャージしたお金には、別の決まりがあります。ショッピングやPiTaPa後払いエリア内の運賃には使えません。オートチャージを登録しておくと、後払いエリアの改札で残額が1,000円以下になったときに2,000円がチャージされます。JR西日本の改札ではオートチャージされません。
反対に、ICOCAも同じ鉄道で使えます。JR西日本によると、ICOCAはPiTaPaエリア(阪急・阪神・大阪メトロ・京阪・近鉄・南海など)でも使えます。先にチャージして普通の運賃を払う形で、PiTaPaの割引はありません。ICOCAはPiTaPaのショッピング加盟店では使えません。JR西日本の駅では、PiTaPaもICOCAの加盟店では使えません。
多くの旅行者が乗る路線では、どちらのカードも使えます。大阪メトロでは、地下鉄と大阪シティバスでPiTaPaもICOCAも使えます。大阪シティバスのおとなの運賃は一律210円です。阪急はモバイルICOCAも含めて両方使えます。京都市バス・地下鉄も両方使えます。このサイトの大阪のICカードのページと京都のICカードのページでは、路線ごとに紹介しています。

この写真のような大阪メトロの改札では、どちらのカードも同じ読み取り部にタッチします。パスケースにはカードを1枚だけ入れてください。南海は、PiTaPaとICOCAを同じケースに入れていると改札がうまく読み取れない場合があると注意を呼びかけています。
PiTaPaの申し込み:審査・銀行口座・受け取りまで
PiTaPaのFAQページには、申込者全員が満たすべき条件が載っています。申し込む前にチェックリストとして確認してください。
- 年齢:本会員は18歳以上です。高校生は本会員として申し込めません。
- 審査:どの申し込みにも所定の審査があり、カードの発行を断られることもあります。
- 勤務先への確認:PiTaPaは勤務先に在籍確認の電話をかけたり、本人に直接連絡したりする場合があります。
- 銀行口座:支払いは、本会員本人の名義の個人の銀行口座からだけです。
- 受け取りまで:書面での申し込みは3〜4週間かかります。オンラインでの申し込みは最短で2週間です。
銀行によっては、オンラインで口座を設定できません。その場合は、引き落とし口座の申込書が自宅に郵送されます。氏名を書いて銀行印を押し、本人確認書類のコピーと一緒に送り返します。このサイトのPiTaPaのページでは、オンラインの申し込みを順を追って紹介しています。

この図は、申し込みから最初の引き落としまでの5段階を示しています。必要なものを見てください。自分名義の銀行口座と、カードや書類を受け取る自宅の住所が必要です。PiTaPaが勤務先に電話をかけることもあります。最短でも2週間かかります。日本に着いた日に申し込んでも、多くの旅行ではカードが届くころには旅が終わっています。
ICOCAなら、これがどれも要りません。券売機かみどりの窓口で買えば、すぐに乗れます。JR西日本によると、普通のICOCAは誰でも使えて審査もありません。ただし普通のICOCAはなくすと再発行できないので、残額は現金と同じように扱ってください。
割引:PiTaPaの割引率とICOCAのポイント
PiTaPaの割引は鉄道会社ごとに決まっていて、毎月の請求に反映されます。PiTaPaの割引一覧(2026年10月1日時点)には、おとなの一般の割引率が次のように載っています。
- 大阪メトロ・大阪シティバス:利用額割引「フリースタイル」(一般)は、事前登録なしで1回目の乗車から10%引きです。
- 阪急:1か月の1〜10回目の乗車は割引なし、11〜30回目は10%引き、31回目以降は15%引きです。
- 近鉄:1か月の運賃のうち3,150円を超えた部分が10%引きです。
- JR西日本の後払いエリア:1か月に同じ運賃区間を11回目以降に乗ると、1回ごとに10%引きです。
- 京阪・南海・阪神:1か月の11回目の乗車から10%引きです。
それぞれの割引率の条件を確かめてください。1回目の乗車から割引になるのは大阪メトロだけです。阪急・JR西日本・京阪・南海・阪神は、1か月のうち11回目の乗車から割引になります。近鉄は1か月の運賃が3,150円を超えてから割引が始まります。1か月は1日から末日までなので、月末をまたぐ旅行では回数が月ごとに分かれます。

写真は大阪梅田駅の阪急電車です。阪急ではPiTaPaの割引率が利用回数に応じて上がり、11回目からは10%・31回目からは15%になります。
ICOCAにも特典があり、WESTERポイントがたまります。JR西日本のICOCAの鉄道利用のポイントのページに、鉄道の利用でたまるポイントが2種類載っています。普通のICOCAは、先に無料のサービス利用登録が必要です。モバイルICOCAとApple PayのICOCAは登録が要りません。
- 利用回数ポイント:1か月に同じ運賃区間を11回目以降に乗ると、1回ごとに運賃の10%分のポイントがたまります。
- 時間帯指定ポイント:京阪神の一部の区間が対象です。1か月に区間のグループごとに4回目の乗車から、運賃の10%分のポイントがたまります。
時間帯指定ポイントの対象は、平日10:00〜17:00の入場か出場と、土日祝日の終日です。JR西日本は運賃区間ごとに利用回数を数えます。JR西日本の例では、大阪〜京橋と大阪〜西九条はどちらも180円の区間です。それぞれ1回ずつ乗ると、180円の区間を2回利用したと数えます。

変わる前と後を並べたこの図で、変更がわかります。JR西日本によると、時間帯指定ポイントと利用回数ポイントは2026年12月の利用分で終了します。12月分のポイントは2027年1月上旬に付与されます。2027年の旅行では、ICOCAの鉄道のポイントは一切もらえないと考えておいてください。
払いもどし・手数料・モバイルICOCA
日本を出るときは、JR西日本のICOCAエリアの駅でICOCAを払いもどしてください。受け取れるのは、残額から220円の手数料を引いた金額とデポジット500円です。残額が220円の手数料以下の場合は、デポジット500円だけが返ってきます。利用・チャージ・カード交換が10年間ないICOCAは、JR西日本が失効させることがあります。その場合は残額もデポジットも戻りません。
PiTaPaにチャージしたお金が返ってくるのは、退会・カードの紛失・更新・再発行のときだけです。自分の意思で退会する場合や紛失・盗難を届け出た場合は、払戻手数料としてカード1枚につき550円がかかります。残りは指定の銀行口座に戻ります。このサイトのICカードの払いもどしのページでは、カードごとの手順を比べています。

| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| ICOCAのデポジット | 500円 | カードを返すと戻る |
| ICOCAの払いもどしの手数料 | 220円 | |
| PiTaPaの退会時の払戻手数料 | 550円 | |
| PiTaPaのご利用代金通知書の発送料 | 150円 | 1回につき |
| PiTaPa維持管理料(利用がない年) | 1100円 |
この図は、2つのカードの決まった費用を並べたものです。いちばん大きいのは、1年間使わなかったときのPiTaPa維持管理料1,100円です。返ってくるのはICOCAのデポジット500円だけです。
3つ目の選択肢はスマートフォンです。Apple PayのICOCAは、iOS 16.0以降のiPhone 8以降かApple Watch Series 3以降で使えます。AndroidのモバイルICOCAには、購入時にAndroid 10.0以降が入っていたスマートフォンと最新のおサイフケータイアプリが必要です。
JR西日本の英語ページでは、iPhoneについて3つの条件を挙げています。Apple AccountでiCloudにサインインしていること。デバイスの地域設定が、Apple Payに対応する国や地域になっていること。そうした国や地域のカード会社が発行したカードを持っていること。使う前に、自分のスマートフォンでこの3つをすべて確認してください。
Androidでは、モバイルICOCAにWESTER IDが必要です。さらに本人名義で3-D Secure 2.0に対応したVisa・Mastercard・JCB・AMEX・Diners Clubのカードも必要です。このサイトのモバイルICOCAのページでは、iPhoneとAndroidの両方の設定の手順を紹介しています。
スマートフォンのICOCAは、払いもどしに時間がかかります。Apple WalletではICOCAを払いもどせません。JR西日本は、ICOCAアプリか会員サイトから220円の手数料で払いもどしを受け付けています。残額は、申し込んでから2〜6週間ほどで指定の銀行口座に振り込まれます。

カードのICOCAなら、この待ち時間はありません。JR西日本のICOCAエリアの駅で返せば、その場でお金が戻ってきます。
ICOCAとPiTaPa、どちらを選ぶ?
上の数字を参考に、自分の状況で選んでください。ほとんどの人は次の2つの質問で決まります。日本の銀行口座を持っているか、カードが届くまで待てるかです。

2つの質問の図をたどると、ほとんどの旅行者はICOCAになります。両方に「はい」と答えても、PiTaPaには審査があります。
- 日本の銀行口座がない、または数日以内に来日する場合:JR西日本の駅で、2,000円のICOCAを買ってください。関西空港駅では、外国のパスポートを持つ短期滞在の旅行者が訪日外国人向けのデザインを買えます。
- 比較的新しいiPhoneかAndroidのスマートフォンを持っている場合:スマートフォンとカードがJR西日本の条件を満たしていれば、モバイルICOCAが使えます。来日前に確認してください。
- 関西に住んでいて銀行口座がある場合:同じ路線を月に何度も乗るなら、PiTaPaがお得になります。阪急とJR西日本の割引は11回目の乗車から始まります。
- このあと東京へ行く場合:ICOCAはSuicaとPASMOのエリアでも使えます。このサイトのSuicaのページでは、東京のカードを紹介しています。
関西空港に着いたら、駅でICOCAを買ってその日のうちに市内へ移動できます。このサイトの関西空港のページでは、大阪へ向かう電車とバスを紹介しています。

ICOCAとPiTaPa、日本在住の98人が知っていたのは
2026年10月13〜14日に、日本在住の人へ旅の選び方32項目のネット調査をしました。130人が答えました。機械で書いたような回答・日本の外からの1件・食い違う回答の大半を除き、98人ぶんを集計しています。下の割合は、ほかの人数を書いていない所ではこの98人の中での割合です。日本を旅行する人全体の割合ではありません。32項目の結果と聞き方はこちら。
ICOCAと、後払いのPiTaPaの違いを知っているか聞きました。PiTaPaを知らなかった人は56.1%(55人)、名前は知っていても違いは知らなかった人は31.6%(31人)です。違いを知っていたのは12.2%(12人)でした。
いちばんよく使うカードは、ICOCAが15.3%(15人)、PiTaPaが4.1%(4人)でした。Suicaは41.8%(41人)です。ICOCAをカードかスマホで持っている人は22.4%(22人)、PiTaPaを持っている人は5.1%(5人)でした。



ICOCAとPiTaPaに関するよくある質問
観光客でもPiTaPaカードを作れる?
PiTaPaは、申し込む人全員に同じ条件を求めています。本会員は18歳以上で、審査に通ったうえで本人名義の個人の銀行口座から支払います。オンラインなら最短2週間、書面なら3〜4週間でカードが届きます。日本の銀行口座と住所がない旅行者は、ICOCAを買ってください。
ICOCAは大阪メトロ・阪急・京都市バスで使える?
使えます。大阪メトロ・阪急・京都市バスはすべてICOCAに対応していて、阪急はモバイルICOCAにも対応しています。ICOCAは残額から通常運賃を支払う仕組みなので、乗る前にチャージしておいてください。大阪シティバスのおとな運賃は一律210円です。
ICOCAのポイントは2026年12月以降も使える?
鉄道の利用でたまるポイントは終わります。JR西日本によると、時間帯指定ポイントと利用回数ポイントは2026年12月の利用分で終了します。12月分のポイントは2027年1月上旬に付与されます。
PiTaPaは関西以外でも使える?
使えます。SuicaやPASMOなど、全国相互利用のエリアで使えます。そこではプリペイドカードとしてしか使えないので、先に現金でチャージする必要があります。オートチャージも使えず、PiTaPaの割引もありません。



