抹茶のセレモニアルグレードは本物?15店のうち2店だけが使う言葉
15の日本茶ブランドの公式オンラインショップで、抹茶のリストを2026年10月17日と18日に確認しました。日本語のページを確認したほか、海外向けの5店は英語のページも確認しました。2026年10月19日にもう一度数え直しています。このサイトの抹茶ショップのデータベースには、15ブランドの抹茶とほうじ茶155商品を、1グラムあたりの価格と営業時間付きで収録しています。
155商品のうち14商品は、商品名かカテゴリー名にセレモニアルという言葉が入っています。5商品は伊藤久右衛門、9商品は森半です。データベースに登録したほかのブランドは、日本語のリストでこの言葉を使っていません。つまり日本茶ブランド自身のオンラインリストでは、この表現はあまり使われていません。

これらのリストには、抹茶の名前と重さ、価格が書かれています。飲み方を示す表記が添えられることもあります。この記事ではこのあと、日本の店がどんな表記を使うのかを紹介します。それぞれ1グラムあたりいくらなのかも見ていきます。
セレモニアルと書く日本茶ショップはどこ?
確認した20店のリスト(日本語15店、英語5店)で、この言葉がどこに出てくるかをまとめました。使っているのは2ブランドだけで、それぞれ違う場所に表記しています。
| ショップ | セレモニアルと書く場所 | 商品数 |
|---|---|---|
| 伊藤久右衛門(日本語のリスト) | 商品名の中(カタカナ表記) | 5 |
| 森半(日本語のリスト) | カテゴリー名:お点前用抹茶 | データベースでは9商品 |
| 中村藤吉のグローバルショップ | 画像の説明文(alt属性)のみ | 商品名には0 |
| ほかの13店の日本語リスト | 使用なし | 0 |
| ほかの4店の英語ショップ | 表示されるテキストにはなし | 0 |
伊藤久右衛門は商品名にこの言葉を使っています。伊藤久右衛門の公式オンラインショップの宇治抹茶リストには7商品が並んでいます。そのうち5商品は20gの缶で、名前の下にセレモニアルグレードと書かれています。これは英語のceremonial gradeを日本語で表記したもので、セレモニアルグレードと読みます。
この5つの缶は、税込で最も安いUji Midoriが1,944円、最も高いHoukyuが10,800円です。間にはSeiju-no-moriが3,780円、碾上が5,940円、寿久が8,640円です。1グラムあたりでは、最も安い缶が97.2円、最も高い缶が540円になります。
同じリストには100gの袋入り「お徳用抹茶」が3,218円で売られていて、お菓子作り お料理という表記が付いています。このサイトの伊藤久右衛門のページでは、宇治市と京都市にある5店舗を営業時間と最寄り駅付きで紹介しています。

上の図は、この集計を4行でまとめたものです。森半は伊藤久右衛門とは違うやり方をとっています。森半の公式オンラインショップのお点前用抹茶カテゴリーは「お点前用抹茶 – Ceremonial Grade Matcha -」という名前です。日本語の部分は、茶道でお茶を点てる「お点前」用の抹茶という意味です。
この英語表記は、森半のほかの抹茶カテゴリーであるSingle Cultivar Matcha、Organic Uji Matcha、Commercial Grade Matchaと並んでいます。このサイトのデータベースでは、森半のお点前用カテゴリーに9種類の抹茶を数えています。価格は鹿児島産の30g缶が1,944円から、京都・南山城産の30g缶が8,100円までです。1グラムあたりでは64.8円から270円になります。
宇治の中村藤吉は、この言葉を使っていません。中村藤吉本店の公式オンラインショップの抹茶リストには、日本語で20商品が並んでいます。絞り込み機能では飲み方別に、濃茶(こいちゃ)、薄茶(うすちゃ)、冷薄茶(れいうすちゃ)に分けられます。もう一つの絞り込みでは、料理・菓子作り用の抹茶に印が付いています。
海外向けの中村藤吉のグローバルオンラインショップも、商品名にこの言葉を使っていません。Ceremonial Gradeという表記は、画像の説明文(alt属性)だけに使われています。このサイトの中村藤吉のページでは、宇治・京都市・東京・大阪にある9店舗を紹介しています。
一保堂のグローバルオンラインショップの抹茶ページも、この言葉を使っていない英語ショップの一つです。抹茶を濃さで、Rich、Balanced、Lightに分けています。点て方でもKoicha、Usucha、Latteという選択肢で分けています。茶道の流派で絞り込む機能もあり、選択肢はUra-Senkeです。どの絞り込みにもceremonialという言葉はありません。
日本の店がかわりに使う表記:薄茶・濃茶・お料理用
日本茶の店の多くは、抹茶のグレードではなく飲み方を表記しています。15ブランドのうち6ブランドは、一部の抹茶に薄茶や濃茶という表記を付けています。6ブランドは祇園辻利、堀井七茗園、寿月堂、上林春松本店、中村藤吉、西条園です。4ブランドはお料理やお菓子用の抹茶に印を付けています。その4ブランドは星野製茶園、伊藤久右衛門、Nanaya、通圓です。
| 表記 | ブランド数 | 商品数 | 1グラムあたりの中央値 |
|---|---|---|---|
| 薄茶(うすちゃ) | 5 | 17 | 93.2円 |
| 濃茶(こいちゃ) | 3 | 11 | 162円 |
| 濃茶と薄茶の両方 | 2 | 2 | 311.2円 |
| お料理・お菓子用 | 4 | 5 | 32.3円 |
薄茶は最も多いグループです。5ブランドの17商品にこの表記があり、そのうち8商品にグラム表記があります。この8商品は1グラムあたり48.6円から118.8円で、中央値は93.2円です。濃茶は祇園辻利、上林春松本店、西条園の3ブランド、11商品に付いています。グラム表記のある5商品は1グラムあたり75.6円から216円で、中央値は162円です。
濃茶と薄茶の両方の表記がある商品は2つで、堀井七茗園と寿月堂にそれぞれ1つあります。価格は1グラムあたり262.5円と360円で、どの表記よりも高い中央値311.2円になります。お料理・お菓子用の抹茶はその対極にあります。4ブランドの5商品にこの表記があり、グラム表記のある4商品は1グラムあたり20円から51.6円です。

| 項目 | 値 | 注記 |
|---|---|---|
| お料理・お菓子用 | 1グラムあたり32.3円 | グラム表記のある4商品 |
| 薄茶 | 1グラムあたり93.2円 | グラム表記のある8商品 |
| 濃茶 | 1グラムあたり162円 | グラム表記のある5商品 |
| 濃茶と薄茶の両方 | 1グラムあたり311.2円 | 2商品 |
この棒グラフは4つの中央値を並べたものです。お料理用の抹茶は1グラムの中央値が32.3円です。薄茶と表記された抹茶は1グラム93.2円、濃茶と表記された抹茶は1グラム162円です。
セレモニアルよりはるかに多く出てくる言葉があります。155の商品名のうち41商品、10ブランドに「昔(むかし)」という字が入っています。初昔(はつむかし)はその一例です。これは茶の名前の一部で、同じ名前でも価格は大きく違います。一保堂の日本語リストでは、20gの箱入り初昔が税込864円です。中村藤吉の日本語リストでは、30gの缶入り初昔が税込17,500円です。
有名な茶の名前には、表記を何も付けないものもあります。一保堂と丸久小山園は、日本語リストで名前だけを載せていて、薄茶や濃茶、セレモニアルといった表記はありません。このサイトの一保堂のページでは、税込864円から16,200円までの11種類の茶を紹介し、1グラムあたりの中央値は124.2円です。このサイトの丸久小山園のページでは、2,052円から43,200円までの12種類の抹茶を紹介し、1グラムあたりの中央値は110.7円です。
すべてのブランドの価格を一つにまとめた記事は、日本の抹茶の値段を読んでください。15ブランドの124種類の抹茶全体では、1グラムあたりの中央値は125.1円です。
碾茶が抹茶になるまで、農林水産省の説明
農林水産省は、作り方によって抹茶を定義しています。以下の手順は、農林水産省のお茶のページからリンクされている2026年10月版の茶に関する資料に基づいています。

図の4つの手順は、資料の内容に沿っています。生産者は収穫の約2〜3週間前から、よしず・わらむしろ・布などで茶畑に覆いをします。この茶畑から摘んだ茶葉が碾茶です。摘んだ後は蒸してから、揉まずに碾茶専用の乾燥機で乾燥させます。抹茶は、この碾茶を石臼などで細かい粉に挽いたものです。
覆いをすることで、碾茶はほかの2つの茶と同じ仲間になります。玉露・かぶせ茶・碾茶を合わせて覆い茶(おおいちゃ)と呼びます。資料には、抹茶ではない2つの粉も載っています。粉末茶(ふんまつちゃ)は粉砕機で挽いた茶で、農林水産省は抹茶とは別に分類しています。粉茶(こなちゃ)は、茶を仕上げる際に出るふるい分けの粉です。
日本の茶のうち碾茶になるのはごく一部です。碾茶は日本の荒茶生産量の8.6%を占めます。主な茶の中では、最も高価な茶でもあります。
資料には2025年の荒茶の平均価格が、季節を問わず掲載されています。碾茶は1kgあたり8,562円、玉露は3,699円、かぶせ茶は2,387円で売れました。煎茶は1kgあたり1,746円でした。つまり挽く前の段階で、碾茶は煎茶の約4.9倍の価格になります。
この最後の工程は、宇治で自分でも体験できます。上林三入では、宇治茶を石臼で挽いてから茶を点てる体験が1,650円でできます。福寿園では、自分で抹茶を挽く40分の体験が2,750円で受けられます。このサイトの宇治の茶道ページでは、両方の体験を予約方法付きで紹介しています。
セレモニアルグレード抹茶は本物の分類?
日本茶ブランドのオンラインリストの表記としては、セレモニアルグレード抹茶という言葉は珍しいものです。日本語のリスト15店のうち、使っているのは2店だけです。残りの13店は使っておらず、英語の5店も表示されるテキストには出てきません。
農林水産省の分類は、別の基準に基づいています。茶の種類は、覆いをするかどうか、揉むかどうか、石臼で挽くか粉砕機で挽くかなど、育て方と加工の方法で分かれています。その中にセレモニアルグレードという分類はありません。つまりこの言葉は、農林水産省の茶の種類ではなく、店独自の表現です。

この画像は農林水産省のお茶のページの上部です。茶の基本情報のセクションには、ダウンロード用に分割された資料全体へのリンクがあります。リーフレットのセクションには、農林水産省のお茶の入れ方マニュアルの英語版へのリンクもあります。
セレモニアルという言葉が付く14商品の価格帯は幅広いです。1グラムあたり森半の鹿児島産の缶が64.8円から、伊藤久右衛門のHoukyuが540円までです。最も安いものでも、薄茶の中央値93.2円より1グラムあたりの価格は低くなります。

ceremonyという言葉は、茶室を指しています。宇治の対鳳庵では、薄茶一杯が1,500円です。京都のKotoでは、英語での45分の相席体験が3,300円で受けられます。
このサイトの茶道の体験価格ページでは、45分あたりの料金・英語対応・椅子の有無で体験を比較しています。
日本の抹茶の缶や袋の読み方
各ブランドの日本語のオンラインリストで見つかった表記と、その読み方を紹介します。
- 薄茶(うすちゃ):薄い茶という意味です。5ブランドの17商品で使われている表記です。
- 濃茶(こいちゃ):濃い茶という意味です。3ブランドの11商品で使われている表記です。
- お菓子作り・お料理(おかしづくり・おりょうり):お菓子作りや料理用という意味です。伊藤久右衛門は100gのお徳用袋に表記しています。
- お点前用(おてまえよう):茶道でお茶を点てる用という意味です。森半がカテゴリー名として使っています。
- セレモニアルグレード:ceremonial gradeをカタカナで表記したものです。商品名に使っているのは伊藤久右衛門だけです。
- 昔(むかし):初昔(はつむかし)のように、茶の名前の一部として使われます。41の商品名に入っています。
- g:重さです。多くの缶は20gか30gなので、1グラムあたりの価格で比べてください。
- 税込(ぜいこみ):価格に税金が含まれていることを示します。

この図は3つの確認事項を順番に示しています。表記、用途、そしてグラム数と税金です。税込価格をグラム数で割ると、1グラムあたりの価格が出ます。この数字一つで、20gの箱と30gの缶を比べられます。
税込かどうかは、必ず表記されているわけではありません。伊藤久右衛門は、それぞれの価格に税込と表記しています。一保堂は、リストの最後に税込価格をまとめて示しています。丸久小山園は税込かどうかを示していないため、このサイトでは店のリストどおりの価格を載せています。
価格は変わることもあります。中村藤吉は2026年9月1日以降の注文から一部の価格を上げました。一保堂も2026年10月1日から新しい抹茶の価格にしています。店頭の価格はオンラインリストと違う場合があるため、当日は値札も確認してください。
ブランドによっては、オンラインでの抹茶の注文数を制限しています。日本の抹茶不足の記事で、各ブランドの制限をまとめています。
日本の免税ルールは2026年11月1日に変わるため、出発前に免税ショッピングガイドを読んでください。1グラムあたりの価格でブランドを選びたい方は、おすすめの日本の抹茶ブランドの比較記事を見てください。
セレモニアルグレード抹茶のよくある質問
セレモニアルグレード抹茶は本物の分類?
この言葉自体は存在しますが、日本の店ではほとんど使われていません。日本語の抹茶リストにこの言葉を書いているのは、15ブランドのうち伊藤久右衛門と森半の2ブランドだけです。農林水産省は抹茶を、碾茶を細かい粉に挽いたものと定義していて、セレモニアルグレードという分類はその中にありません。
日本茶の店はセレモニアルグレードと表記している?
2店が表記しています。伊藤久右衛門は5つの商品名にセレモニアルグレードと書き、森半は「お点前用抹茶 – Ceremonial Grade Matcha -」というカテゴリー名を付けています。確認したほかの13店の日本語リストはこの言葉を使っておらず、英語の5店も表示されるテキストには出てきません。
日本茶の店はセレモニアルグレードのかわりに何と表記している?
飲み方を表記しています。15ブランドのうち6ブランドは薄茶や濃茶と表記し、4ブランドはお料理・お菓子用と表記しています。多くの店は茶の名前だけを載せていて、155の商品名のうち41商品には「昔」という字が入っています。
日本では料理用の抹茶は、薄茶や濃茶の抹茶より安い?
今回の集計では、そのとおりです。お料理・お菓子用と表記された抹茶は、1グラムあたりの中央値が32.3円です。薄茶は93.2円、濃茶は162円です。濃茶と薄茶の両方と表記された商品が最も高く、中央値は1グラムあたり311.2円です。



